【楽観も悲観もせず】~長期視点で好機を伺う~

『リスクの存在に楽観のマーケット!?』

 今年も気づけばゴールデンウィーク。3分の1が過ぎました。米国インフレは、緩やかながらピークアウトが明確になり、指摘してきた通り、注目は景気後退を占う景気指標、企業業績に移ってきました。この間、政策当局がインフレ対応のために実施してきた高速かつ大幅な金利引上げの副作用が、シリコンバレーバンクの破綻という形で顕在化しました。スイスの大手銀行クレディスイスもUBSに救済合併となりました。シグネチャーバンク、ファーストリパブリックバンクと脆弱な地銀のリスクが金融システムへどう影響していくのか、信用収縮などの影響が米国景気にどの程度影響を与えるのかなど楽観はできません。(⇒YouTube動画参照)

しかしながら、世界の株価は、一時的な下落はありましたが年初来堅調に推移しています。米国長期金利もピークからは下落した水準で推移しており、昨年までとは異なり、株式も債券も押し目買いが奏功しています。分散効果復権の兆しも出てきました。ただ、株式には、景気後退リスクを視野に入れ上値追いは慎重になる局面かもしれません。

 

 『日本株は指数よりストック・ピックに妙味!?』

また、日本においては植田日銀が船出し、金融政策修正リスクがある中、当面の緩和継続が示唆され市場はポジティブに反応しています。(⇒YouTube動画参照)

折しも、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が来日し日本株への注目が増しました。東証も割安株価の企業への指導姿勢を明確にしています。ここのところ、外国人投資家の日本株買い越しも継続している由縁かもしれません。

しかしながら、米国ではPBR(純資産倍率)1倍割れの企業が15%程度(S&P500採用企業)で、日本においては半数弱の企業が解散価値に満たない1倍割れという状況です。これが一朝一夕に改善することを期待して、日本株全体の上昇を見込むのは楽観すぎるかもしれません。株主重視の経営改革を実践し、変革が期待できる企業のストック・ピックがより重要だと言えるでしょう。

 

 『長期視点でのポートフォリオ・レビュー』

 ここまでは、昨年とは違い、売られ過ぎの修正(リターン・リバーサル)や金利上昇でネガティブに動いた資産やセクターへの見直し買いが奏功してきたと申し上げましたが、楽観過ぎる局面の可能性に留意したポジション調整の検討も必要かもしれません。しかしながら、極端なハードランディングを主張する識者に引きずられて、悲観に傾き過ぎるのも避けたいところです。楽観にも悲観にも振れず、長期の視点でポートフォリオのバランスを維持しながら、余裕をもって押し目の好機を狙う、分散効果の更なる復権も視野に入れながらポートフォリオをレビューし、修正を検討するスタンスが重要だと考えます。

 

ポートフォリオ・レビューなど個別相談はこちら

マーケットレビューはこちら(YouTube)