2022年前半は、米国のCPI(消費者物価指数)ショックと言えるインフレ率の急上昇が、米国金融当局の高速の金利引き上げを余儀なくさせ、株式のみならず、債券等資産市場の大幅な下落を誘引しました。特に、グロース株と言われる金利上昇に弱い株式が大きな調整となりました。
ここにきて、CPIショックによるインフレ見通しもマーケットへの織り込みが進み、好調な企業業績、堅調な雇用状況を背景にリスク資産も売られ過ぎからの巻き戻し水準訂正の動きがでています。
今後は急速な金利引上げが、米国の本格的な景気減速、そして景気後退を引き起こすのではないかという懸念が高まっていくことが考えられます。
『炭鉱のカナリアの警告』(ご参考:こちらをクリック⇒YouTube)
既に米国は実質GDPが2四半期連続マイナス成長となり、テクニカル(定義上)・リセッション入りしています。米当局は、まだ景気後退ではないとのスタンスですが、最後の砦と言われる労働市場の変調や、企業業績次第では実質的な景気後退に突入する可能性は高まります。
そのリスクを先見的に察知(炭鉱のカナリア)する指標も出ています。
- 長短金利の逆転現象である逆イールドの常態化
- 景気動向の先行指標である銅価格の大幅下落
- GDPナウでのテクニカル・リセッション示唆
- ミシガン大学消費者態度指数が歴史的な低水準にあるということなどです。
『今後のポイントは』
インフレ指標がピークアウトせず、高止まりしたまま、景気後退に陥るいわゆるスタグフレーションが最も懸念すべき点です。
インフレ指標には引き続き注視するとともに、労働市場や企業業績のデータを確認しながら慎重な投資を継続すべき局面は続くと思います。
米国の金融政策もハト派(引締め消極)とタカ派(引締め積極)にデータ次第で大きく振れるでしょう。
現在は行き過ぎたタカ派的引き締め論が景気後退リスクを織り込む形で修正され、楽観的なハト派(引き締めがピークアウトしていく)期待の中にいると思います。
米国は弱気相場(ベア・マーケット)入りしているので、この戻りはベアマーケット・ラリー(弱気相場の中の戻り)の可能性もあります。
明確にトレンド転換が確認できるまでは、過度なポジションや高値追いは控えるのが賢明だと考えます。
一方、長期投資の視点でいえば、景気後退局面や弱気相場での分割投資はその後、大きな成果をもたらすこともあります。今後、ラリーが終了して下落局面が訪れても過度な悲観に陥らず、資産分散、時間分散でバランスのとれたポートフォリオを維持し、ステイ・マーケットでいたいものです。
戻り局面が来た時に、しっかり戻りがとれるポートフォリオを意識して、冷静に管理することが大切です。
※FRBの金融政策に関する基本的な考え方などYouTubeにアップしていますので是非ともご視聴ください。
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