大きな節目を抜けて、日経平均の3万円乗せは思いのほか早い時期に実現しました。
アメリカ株は、今年に入っても高値を更新して好調、日本株は3万円を回復したあとは一進一退からの調整局面という状況です。
投資家の皆さんからは、「今株価はかなり高いので、大きな下げが来るのでは?」「様子を見て投資したほうがいいのですか?」との質問が増えました。
【金融相場から業績相場へのバトンタッチは上手くいくのか!?】
マーケットの現況を確認してみましょう。
昨年1年間は、未曽有の資金供給に支えられるなか、投資家心理の改善が予想PER(株価収益率)の大幅上昇をもたらした期待先行の株高だったといえます。企業業績(予想EPS=一株当たり利益)は低下し続けていた中での上昇には、限界があると思われていました。
しかしながら、米国長期金利の急上昇という波乱はありましたが、現在も株高の基調は継続しています。
これは、年末ごろから世界景気のけん引役の米国の予想EPSが明確に上昇トレンドを示し、企業業績の改善方向が確認できるようになったことが大きな要因といえます。
その背景は大きく2つあります。
ひとつは、米国政府が1.9兆ドルの経済対策で補助金等を充実させ、いわば対処療法が奏功していることに加えて、2兆ドルの追加経済対策で環境投資(グリーンリカバリー)など長期的な視野での成長投資への支援にも乗り出していることです。
また、新型コロナワクチンの接種がスピード感をもって進み、集団免疫獲得も視野に入ってきていることも経済正常化(企業業績回復の加速)に向けてのドライバーになりつつあります。
日本政府の対応と比較すればS&P500指数採用企業とTOPIX採用企業の予想EPS(1年先:前年比)に大きな差があるのも想像に難くありません。この予想EPS(企業業績)の見通しの差が、足元の日米株価に反映されていると言えるかもしれません。
【ゴルディロックス相場でのポートフォリオは!?】
さて、今後の見通しを考えてみます。
予想EPSの改善がどこまで続くかが、キーポイントと考えられます。つまり、全体観としては、予想EPSの鈍化傾向が見えるまでは株価の堅調が続くと考えられます。
高値更新後のスピード調整はあり得るでしょうが、その後はいわゆる「ゴルディロックス相場(適温相場)」への移行をメインシナリオに投資戦略を考えたいところです。
リスク要因もあります。
米投資会社アルケゴスの運用失敗に端を発して、クレディ・スイスが5200億円の損失、野村ホールディングスが2200億円もの損失の可能性を公表するなど、いわゆるアルケゴスショックが起きました。今後、同様にヘッジファンドとのデリバティブ取引に対するリスク管理の失敗事例が続発しないか、また変異コロナウィルスの制御不能な拡大の可能性はないのか、そして、米中関係、特に中国のウイグル人権問題における余波が想定外に拡大しないかなど。ただし、現在のところはテールリスクととらえています。
リスク要因が全くないことはいつの時代もありません。
ゴルディロックス相場では、どのように効率的に運用すべきかと、ぬるま湯に安住しない「万が一を想定した」リスク管理も意識しておくことが大切です。
投資の基本であるマーケットステイを維持しつつ効率的に運用し、リスク分散(時間分散、アセットの分散)を機能させることが大切です。その点で、ポーフォリオでの運用戦略が有効になります。
あなたのポートフォリオをしっかりとチェックして対応していくことです。中長期の視点を持って、現状を確認しながらポートフォリオ管理を機能させれば、資産形成において成果が期待できるということを改めて心に留めておきたいところです。
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